濁川源泉部を埋没させた浅間山天明噴火物の正体

濁川源泉部を埋没させた浅間山天明噴出物の正体

浅間山は天明3年に大噴火しましたが、その際に、濁川という、佐久盆地の米作りにとって重要な河川の源頭部、「血ノ池」が約6m埋まり、幕府の援助の下、延べ1万7千人で土砂を取り除いたとの文書が残されています。しかしこれまでの研究によれば、該地域は天明大噴火の際、火山礫や火山灰、軽石の降下はほとんどなかったとされており、ここに大きな矛盾が生じます。この論文はこの文書の信頼性を検討し、充分に信頼に足るものであること、そして火砕流が天明大噴火の際に長野県側にも流下した蓋然性が高いことを主張しました。